1.5. 賃金について思う事

バブル期ってのは人手不足で、とにかく単純労働でも皆少しでも賃金の良い所へ移っていった為、何処の企業もバイト労働者を引き止めておく為賃金はドンドン上げていきました。NHKもその例外では無い事は前章で見た通りです。 

が、当時から、こんなに貰って良いのか?っていう疑問は常に付きまとっていました。例えば、集金20件をこなしたケースを考えてみると、集金20件で回収する金額は 

    2740円×20=54800円
となります。ここから回収した人間の報酬が8000円支払われます。14.6%の金額がすでにここから出て行く訳です。また当時は交通費全額負担は当たり前なので、それもここから出て行きます。さらにこういったバイト君の活動報告を受けて、トラブルを起した場合などにはすかさずフォローを入れられるよう、営業所には必ず人が詰めていました。1.1.章で述べたように、バイト君は夜の11時ギリギリまで活動するのが建前な訳ですから、営業所にも11時まで人が詰めていなければならず、そういった人達の残業代も出て行く訳です。 

ここまで書けば、人手による集金ってのがどう考えても割が合わない事が見えてくるでしょう。当時としてもこの人手集金の実行すればするほど損をするシステムには疑問を持っていて、そういうバイトをする自分自身をNHKに巣食った寄生虫のように思った事も有りました。

 
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