ある地区を新規契約開拓していた時です。そこはもともと「ハズレ」の地区でその期の僕の契約成績は悪かった訳です。それでそこでの活動期間も終わりに近づいていて、衛星契約や住所変更届といった、イザって時の保険も既に使い切っていました。 その日は雨でした。「ハズレ」の地区なんで、あまり行きたくなかったのですが、活動日数を調整する意味で出なければいけないって事情が有ったので、傘をさしつつ渋々担当地区に向かいました。既にここの地区を巡りきっており、前回までの開拓活動では会う事が出来なかった世帯を補完する形で巡ると言うあまり楽しくない活動でした。厳しい状況になる事は予期されていたので、1.7.で書いたような勤務時間をちょっと誤魔化すような事もせず、それどころか規定より早い時間に入って、一人でも多くの未契約者の方と会えるように特に入念に未契約世帯を訪問しました。 午後7時休憩に入る。近くの大衆食堂で食事。この時点で未だ新規契約0件。晩秋の雨が体力を奪い、心理的にも追込まれた状態の中、それでも休憩後の活動でせめて一件を取るべく、前半の活動で会う事が出来た方々の結果をまとめました。一応有望な件が一件有りました。奥さんが出てきて話をして契約を獲れそうな感触があり、一応世帯主の帰りを待って了承を得て契約しましょうって事になり、後で又訪問する約束を取り付けました。
休憩が終わる頃には雨の降りは酷くなっていました。既に靴もずぶ濡れになっていました。実は前回も坊主であり、坊主2連荘は絶対に避けたいという願望だけが僕の足を動かしていました。こういった雨の日は、人があまり出歩かなくなるので、実は新規開拓をする時は面会する確率があがり+の要素もあるのですが、それでもここは「ハズレ」の地区。会う事が出来ても契約が取れない。何か祟られているような感覚に襲われていました。 午後9時半を廻ろうかという頃になっても未だ契約が一件も取れません。あまり遅くなると失礼なんで、そろそろ先程の約束の御宅に伺って契約を結ぼうと思い、御宅に向かいました。その御宅はマンションの一室。ドアの前に来た時に窓から明かりが漏れているのが見えてホッと一安心。いや、約束しておいてその通りに伺ったらいなかったってパターンがよくあったんですよ。 が…、呼び鈴を押しても反応が無い。居留守とかじゃ無いんですよ。TVの音さえ漏れてくるくらいですから。いない素振りなんかしない。堂々と人を無視しているんです。こっちも約束が有るんで来た訳であって、何とか契約を一件取りたいって気持ちも強かったんで、2度3度と呼び鈴を押していると約束を交わした奥さんが出てきて
ショック・ブー。ここまで読んでこの時の僕の気持ちがどれだけブルーになったか想像できましたか? 奥さんは玄関の扉を閉めて引っ込んでいきました。僕はショックのあまり肩の力が抜けて、そして自然に言葉が口から出ました。
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