1月4日

私は倫敦のある大きな屋敷に召使いか雑用係として雇われていたが、主人は中年の男性二人であり、同性愛者だか何だか知らないがいつもべたべたしていて気味が悪かった。一人は黒い髪を分けた顔色の悪い紳士であり、もう一人は既に頭頂まで禿上がっている。屋敷の中に15メートル四方ほどの空っぽの部屋があり、扉には硝子の覗き窓があってその上に「S」と書いた銅板が張り付けてある。天井まで4メートル程ある壁の半ばに、填め殺しの硝子窓の様なものがあり、中に砂を敷き詰めている。それを見て私は昔飼っていた亀の水槽を思い出した。時々その部屋に深く水を貯めて、二人が裸で泳いでいた。覗き窓から見ると禿頭の男は胸毛が密生していて、もう一人の男と両手を繋いで、ダンスでもするように立ち泳ぎしていた。
その隣の部屋は非常に広くて、真ん中がすりばち状に窪んでいて、そこに胸ほどの高さの木製の、円筒形の機械が据えてある。錫か何かでできたパイプがいくつもついていた様だが、用途は分からなかった。暫くして主人達がどこかへ旅行に行ってしまったので、私は屋敷に友人を何人も連れ込んで、その部屋に湯を溜めて大きな風呂にしてしまった。はっきり憶えていないがそれは私がやったことではなく、友人の誰かの仕業の様に思うが、部屋の中央の機械は取り外されて後にゴム製の黒い蓋がしてあった。


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