1.8. 実家と電話(トラブルその1)

新規契約って、元はNHKに金を払っていない方々なので、説得するのも大変でした。それで集金業務に比べてトラブルも有りました。今も覚えている大きなトラブルを挙げておきます。 

さて、そもそもNHK法では受信料はどのようにカウントされるか知っていますか。答えはTVの受像機毎です。つまり本当ならTVが2台家にあれば、受信料は倍になる訳です。では現場での実際の運用上ではどのようになっていたか分かりますか?答えは世帯毎です。だって新規契約を取る際に 

    「御宅、TV何台有ります? えっ 2台。じゃあ受信料も倍になります」
なんて相手の神経逆撫でる会話できないですし。 

それでこの世帯毎ってのが実は曲者で、二世帯同居ハウスなんて、普段はもう別の暮らししてるから受信料も別だとも思うのですが、建物がくっ付いている為、 

    「一階で親父の方が払っているよ。」
の一言で終わりです。いや、本当にNHK法がどうだとか関係無いんです。相手を怒らせたら元も子も無いからです。一応簡略な説明するけど、まぁ意味無いですね。 

とは言ってもそんな現場の論理が通じるのはあくまで二世帯同居ハウス。一人暮らしの世帯に対しては通じさせません。そもそも我々バイトが新規開拓するメイン・ターゲットがそこですから。 

    「世帯が異なるのならお願いします。」
ってのはよく言った言葉です。 
 
が、一度一人暮らしの青年のアパートで、ちょうど新規契約の手続きの最中に、青年の実家から電話がかかってきた事が有りました。それで青年の口から、 
    「今、NHKの受信料手続きしてる」
一言が出たから、さあ大変。実家の母親は、 
    「うちはこっちで払っとんねん。あんた騙されとんねん。」
と電話の向こうで騒ぎ出して、挙げ句 
    「ちょっと、その職員、電話口に出しぃ!」
って事になって、30分程、自分がアルバイトであるという事から始まって、バイトの仕組み、NHK法とひたすら説明させられました。それでそういった説明で納得されるかっていうと、やっぱり納得なんかされない訳で、結局 
    「こっちで払っとるから、二重取りや!」
に戻ります。それで僕も、本人は払うって言っているこの状況で諦めたらこの仕事続けられないって思って、一歩も引かなくて堂々巡りになる訳です。結局青年が 
    「関係無いですよ、払いますから」
って言って電話をプチッと切っちゃって助かった覚えが有ります。
 
 
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