アメリカ的いぬの生活 その十
「グレーハウンドのこと」
これまで、わりとアメリカのいいところばかり書いてきたような気がするが、
今回のお話は、ダンナとわたしが心を痛めていることで、いまだ、あまり役立つ
こともできないでいること。
アメリカにあって、日本にないわんこに関することといったら、それは
ドッグレース。その名のとおり、競馬の馬のかわりにイヌが走ると思えばいい。
ドッグレース場は、かなりの州にわったってたくさんあるようだ。
もちろんギャンブルだから、お客さんが賭けるイヌのチケットにお金を払うのだ。
走るわんこは、グレーハウンドに決まっている。
グレーハウンドは、体がスマートで、とても足が速い。わたしは、グレーハウンドが
レースで走るところは、テレビでしか見たことがないが、それはそれは一生懸命
走っている。全力疾走とはこのことだ。競馬のジョッキーにあたる人がいないので
目標物を機械で操作し、それを追いかけるように走る。とてもきれいだ。
彼らの生活は、レースと、家であるケージが中心となるため、ポチやはなこや、ほかの
わんこのように人間と暮らすために必要な知識や経験が育たないまま3〜5才になって
しまう。さらに悲しいことに、大半のグレーハウンドは、引退後は安楽死処分されて
しまうのだ。(あるレスキューグループによると、年間25万匹以上ものグレーハンド
が死んでしまうという・・・)走るためだけに生まれてきて、まだまだ寿命にはほど遠く、健康なのに
死ななくてはならないグレーハウンドたち。
わたしたちは、このことをグレーハウンドレスキューをしているグループやアニマル
プラネットという動物専門テレビ局の番組で知った。グレーハウンドレスキュー
グループは、かなりたくさんある。彼らは、まずレスキューしたグレーハウンドを
フォスターホーム(一時期預かってくれるお家)へ、送り出し家庭犬としての
適正を見たり、最低必要なことを教える。その後、養子申し込みの内容をよく検討し
適切なお宅が見つかれば、お見合いとなるのが、普通のようだ。
グループによっては、アフターケアのため、養子になってから数ヶ月後に
グループメンバーによる家庭訪問を義務づけているところも少なくない。
ひとえに、みんなに幸せになってもらいたいから。
家の近くでは、毎月一回土曜日に、あるグループが、ペットスーパーマーケットの
「ペットマート」のスペースを借りて、養子縁組の斡旋をおこなっている。
そこには、すでに養子になって幸せに暮らしているグレーハウンドが、自分たちの
ことをみんなに知ってもらうため、一緒に来ている。細いからだに大きな黒い目の
おとなしいわんこたちだ。わたしたちは、わんこを、もらうなら雑種にしようと決めて
いた。しかし、この事実を知ってから、我が家にやってくるわんこで、もし
純血種が来るとしたら、グレーハウンドだねと話をしている。今後いつか
もらう日がくるかもしれないな。