new york, ny
 
   
 
  アイビーリーグに行きたい人へ...
     
 
06/08/01 別に暴露という程でもないけど、アイビーリーグの学士過程に日本人の学生は非常に少ないので(大学院には日本の「〇〇省」なんかから送られて遊びに来ている日本人学生がいっぱいいる。)色々、学校でどんな事をするか...そして「行きたい」という人の為へ役立ちそうな事を書いてみたいと思います。

日本の4年制大学との比較
まず。日本の大学とどう違うか。答えはそうかわりません。入学時に受けるテストも一年に一回勝負とは行かなくても英語と数学のテスト(SAT、ACT等)があるのはもちろん、「一般教養」のような過程があり、専攻に関係なく、物理、生物、化学、歴史、英文・米文、政治、宗教、経済等々を取らされます。日本と違うのは専攻を決めるのはたいてい3年生になるまでで、入学時には専攻を持っている人はいません。(特別な専門大学などで専攻別に試験や面接のある大学では入学時から専攻が決まっていますが、それはとっても稀です。例:Cooper Unionのように全米一難関な特別大学等)そして、卒業までに専攻の宣言をして、一般教養を終わらせて、専攻に必要な授業を取っていればOKです。ただレベル(大抵の大学では101が一年生用の一番簡単な授業で4年生大学の場合は300〜400まであがっていく。CUのように大学院までいっぱいあるUniversityの場合は番号が博士号まで使われるので1000〜8000、9000くらいまである。)が上級のクラスを取るにはあるクラスを終わらせていないと取れなかったりします。(prerequisiteと呼ばれる。102を取るのに101が必要な場合は101が102のprerequisite。)あるいはセミナー等人気があったり、上級生用のクラスの場合、直接教授の許可や学部(経済なら経済、歴史なら歴史)の許可がいったりすることも。

一般教養課程
で、コロンビアではそういう一般教養のことをCoreと呼びます。これは色々あるカレッジの中でもバーナード女子大には存在しません。Coreの中でも特に変わっている(?)ところはずっと50年近く内容がかわらない(学校側はそれを「伝統」と呼んで喜んでいる)音楽史と美術史(Music HumanitiesとArt Humanities)の二つ。ようするにカクテルパーティーなんかでインテリそうな事を言えるようになる特訓のようなクラス。音楽についてはあんまり読んだことのない本(音楽やのにニーチェとかさ)が課題に出たので面白いことは面白かったけど、美術のほうはいくら一年生のクラスといっても、建築専攻の私にはただのおさらいでしかなくて、非常〜に時間の無駄なクラスでした。(ま、ただ単に教授が悪かったっていうのもあるけど)その二つにあわせて、他の大学と比べてもちょい珍しいのが、Coreには英語(もちろん文学)の授業が4つ=合計2年もあること。(大抵は1年らしい)

入学時点に期待される「知識」:Judao-Christian編
で、この一般教養が結構日本からの留学生とかだと厄介ものになる可能性大。日本でも大学に行ったらある程度高校までにならった数学とかと共に日本文学、古典、日本史とかを知ってるのが当然のように、アメリカの大学だって高校まで習ってきた事は知ってて当然。アメリカの高校で習う「当然知ってなアカン事」っていうのは日本のそれと全く異なるから留学生は一からやり直し...ってできたらいいけど、アイビーリーグでそれしようとすると単に成績悪い「デキの悪いとろい学生」になってしまう。で、文系の科目で一番キーになるのが聖書。日本の人って絶対的に宗教をカルトみたいに扱うことがあるから、聖書なんて本として読んだことがない人が多いけど、これはアイビーリーグに行きたい人は必須中の必須やと思う。アイビーやなくてもセブンシスターズ系のようするに一般に「レベル高いで」といわれてる学校なら間違いなく知っとかないと、何の分析もできません。で、日本語で聖書を読むのもお勧めできません。だって授業ででてきたら人の名前もなにもかも全部読み方とか違うから余計わからんかもよ?なんせ聖書は特に英・米文学、歴史、宗教、哲学等きりがないけど、ほとんど全部の文系の科目に必須です。例として一番困りそうなのは授業で例えばミルトンのParadise LostやホーソーンのThe Scarlet Letterを読んで分析するような課題がでたら絶対Aは取れない。っていうか、ミルトンなんて何の事を書いてるのかさっぱりわからんと思う。で、この二つ(もちろん他の本もあるけど)は絶対アメリカで学校に行ったらどっかで出てくるから、文学としての聖書を理解しておくことがどれだけ重要かこれで伝わるかしら?

入学時点に期待される「知識」:世界史編
他にもちろん絶対理解しておいたほうが「身のため」っていうのはアメリカ史と日本史。歴史っていうのは本当に「主観的」にかかれるもので、特に日本が書いた歴史って日本にはちょっとした主観的な間違いなんかを罰する法律なんかもないし、信じないほうが身のため。こっちで「簡単かな」なんて思って日本史とったが為に大恥かいたり、するかも知れない。その為にも教科書には載っていない(日本政府に言わせたら載せたくない)特に世界大戦(1、2)後の事を知っておこう。

入学時点に期待される「知識」:Mythology編
「え?神話?伝説?」と思われる方もいるかも知れない。でもアメリカは「白人社会」としてはとっても歴史が浅いので勝手にすぐ自分のルーツとかいってヨーロッパの歴史や伝説を「自国の文化の元」というかたちでカリキュラムを作っている為、Greek(ギリシャ)Roman(ローマ)Norse(北欧/古代ノルウェー・スカンジナビア)の伝説に授業で出くわす確立は大です。建築みたいにそういう類からめちゃ縁が無さそうな学科でも思いっきりギリシャ/ローマの伝説のお世話になります。

入学時点に期待される「知識」:高校までにアメリカで一般に読まれる本編
「もうええっ!」っていうぐらい「期待されるシリーズ」が続いてるのでこれで一応最後にしましょう。では入学時までに普通のアメリカの高校を卒業した人なら小学校〜高校の間に読んでいる本の紹介。

  • To Kill a Mockingbird:大阪の公立の学校で「ゆとり」という時間に在日韓国・朝鮮人の歴史/文化や部落差別について習うのが義務つけられているように、NYCというかNY州では絶対「黒人差別問題」を扱った本を小学校〜高校生まで何度となく読みます。これも大不況の頃の南部で展開する黒人問題がひとつのテーマ。

  • Death Be Not Proud:脳腫瘍を持つ少年の話。ジャーナリストのお父さんが17歳で1947年に亡くなった息子を語っている。脳腫瘍と闘いながらハーバードにも合格する。私はどうしても読んでて、辛いので途中で読むのをやめてしまった。(すんごい病気やのに明るい性格てなんかそれが逆に悲しくなる。)

  • The Canterbury Tales:「こんなん高校で読まされるのはクリスの高校だけちゃうん?」と二人で言い争ったんやけど、一応「クリストカズハノサイト」となってるので載せます。はっきりいって英語の古文ね、これ。私は大学で読んだ。(わっけ分からんけど)

  • I Know Why the Caged Bird Sings:マヤ・アンジェローの自伝。これも黒人文化教養の一環

  • The Diary of a Young Girl(Anne Frank):これは日本でも普通中学校とかで読むと思うからわざわざ英語版を読まなくて済む本。

  • Great Expectations:ごっつ鬱陶しいディキンズの名作。ちなみにイーサン・ホークがやってた映画とはぜんぜんちゃうよ。

  • Fahrenheit 451:これ私は恥ずかしながら読んだことないです。クリスによると高校生は絶対読むって言ってます。話しの内容は次の1984的なんちゃうかな。「未来」の話やし。

  • 1984:ジョージ・オーウェルの名作。日本の大学でこれの映画版(ジョン・ハートが主演やったと思う)を授業で見せられた時に笑ったのがクラスの日本人の学生が1984年にどっかの国で実際に起こった事って勘違いしたまま感想とか書いてた事!出版は1949年やぞ〜。

  • Black Boy:これもマヤ・アンジェローと一緒で作者リチャード・ライトの自伝。

  • The Great Gatsby:ジャズの時代の話...っていうのか知らんの。読んでないから。(恥ずかしぃっ!)

  • The Adventures of Tom Sawyer/The Adventures of Huckleberry Finn:マーク・トゥウェインの代表作。

  • Of Mice and Men:孤独と疎外感をテーマに主人公二人がこころの「故郷」とでもいうんかHomeと呼べる場所を探す。ギャリー・シニースとジョン・マルコビッチが出演してる映画バージョンもあるらしい。

  • Lord of the Flies:これ。「激」強烈な話やねんけど、どこの高校でも皆NYCの学校では読まされるらしい。内容はある無人島に墜落した飛行機の生き残った少年達のその後の恐ろしい変化の話。これ最近なんかスポ日読んでてなんかビートタケシが監督かなんかした映画が「残虐」とかいうて話題になってたけど、絶対この本を元にしていると思う。

  • The Catcher in the Rye:サリンジャーの日本語版でもとっても有名な小説。でも私は嫌いだ。(「思春期なんて誰でも苦労するんじゃ、ボケ。アホらしっ。」と読んでて思った。)

とこれだけと思った方、残念でした。日本でももっとようさん本読んでるでしょ、12年間で。ということはアメリカも一緒です。他にもっと日本でも有名な本では... シェークスピアのメジャーな悲劇と喜劇 、エドガー・アラン・ポーの代表作。Beowulf

読んでて損はしない著者の作品:
ヘンリー・デイビッド・ソロー 
ラルフ・ウォルドー・エマソン
ウォルト・ウィットマン
フレドリック・ダグラス
ハーマン・メルビル
ロバート・フロスト
ジョナサン・スウィフト
バージニア・ウルフ

クリスに「こんな小さいリストでは完全やない!」と言われたのでどっかのサイトに載っているブックリストをここで見てください。

もっと他にあるかも知れない。なんせアメリカの大学では一科目につき20冊とかの本を読まされる事があります。本は何でも読んでおいて損することはまずないです。そして極めつけ、聖書が「絶対」必須だとしたら、他の「知っとかへんとアホやと思われる」のを防ぐためにお勧めの本を紹介したいと思います。ギリシャ神話は本当にいっぱい人が出てきて知らん人間にはとってもややこしいものなので、Edith Hamilton著のMythologyをお勧めします。この人はアメリカ人ではじめてギリシャ政府から表彰された人で、本自体は小学生にでも読めそうな簡単な説明ですらすら読めてありがたいです。クリスはこれを小学校低学年の時に読まされたと聞いたので買ってみました。CUにこれから学位を取りにいかれる人、お勧めです。

もう纏まりがなくてだらだらと書いてしまいましたが、では最後にちょっとした暴露話を...「アメリカの大学の授業は辛い!難しい!」とよく言う人がいます。が、私は特にそうは思いません。CUでもまわりで自殺したり文句を「あ〜時間がない」「もうこんなペーパー書くの無理!」とかワメく生徒がいましたが、結局私なんかと同じでだらだらしてるから(課題が3日前にだされても前日まで何もしない等)最後に詰まってきてギャーギャー騒いでるだけで、特に死ぬほど勉強してる風には見えませんでした。で、それでなぜちゃんとした成績で卒業できるか、というと...授業に出てるからです。アメリカの「ええとこの大学」は大抵お金払っている分とっても優秀な教授陣がそろっています。教授陣は他の大学で使われている教科書なんかの著者である人も沢山います。良い先生というのは授業の進め方、教え方がうまい人で自分の教える教科の専門家です。ということは学生は授業にでて、教授の話を聞いていれさえすれば、絶対的に試験でも失敗しないし、(これは本読みの宿題をしない私にでもあてはまる事なので本当に)ペーパーだって授業と討論のセッションにだけ参加していればちゃんとかけます。(もちろん文学等のクラスは別ですし、授業外のリサーチがいるペーパーやなんかやともちろん本を読みますが)

色々な試験(中間ペーパー、中間試験、ミニ・ペーパーx1〜6、プレゼン、期末ペーパー、期末試験等)をさせられる学士号のプログラムのほうが大学院の授業よりは難しいと感じました。(体力的にという意味。大学院の授業も何個か取ったけれど、大抵のクラスで最後に20ページのペーパーや試験があるだけで、授業の内容は難しいものの、徹夜してまでして勉強する必要はなかった。)でもCUの先生もそうですが、良い教授は学生がかけた時間と同じくらいの時間をかけてペーパーにコメント等を書いてくれます(特にセミナー等の小さい上級生のクラス)し、なんせ良い先生の授業は面白いので「クラスに行く」事自体は苦にならないと思います。なんせ「難しいぃ〜!」と叫んでいる人は自分がだらだら遊んでたけど「いゃ〜、せなアカン〜」って言って満足してる、一種の自己への慰めであると考えてもいいんではないでしょうか?これは卒業式でまわりの人と「おめでとう!」って言い合いしてた時に笑いながら話していた事ですから、私だけの反応ではないようです。ほな、これからアイビーにいかれる皆さん、楽しんで「叫んで」下さい。:)

     
 
 
 
最後にこのページをいじったのは2004年 1月1日。
 

1