1998年8月31日(月)/第三内科・1日目
- 今日からとうとう、BST(ベッドサイド・ティーチング)が始まった。
- でも今日は、でだしから失敗してしまった・・・。
- 第三内科の医局の場所がわかんなくて、2分ほど遅刻してしまったのだ。
- 焦ってたから、汗びっしょりになってしまったし。
- ま、ともかく、8時30分(朝!!)からオリエンテーションが始まって、9時から新患の紹介、その後助教授回診が行われ、その時に、僕ら学生が担当する患者さんを紹介された。
- 助教授回診ではずっと立ちんぼで、かなり疲れた。
- 僕が担当するのはNHLの患者さんだ。
- 午後から主治医の先生のカルテを見てしばし格闘し、それから患者さんと少し話をした。
- かなり緊張してしまい、色々細かいこと聴きたかったけど、半分も聴けずじまいだった。
- 何よりも、自分が不勉強なもんで(自分の罹ってる、もしくは罹った病気に関しては、患者さんの方が詳しいでしょう・・・)、どうもこうもならんといった感じ。
- 初日から、ボディーブローを食らったような感じだった・・・。
1998年9月1日(火)/第三内科・2日目
- 今日は午前中は図書館で、身体所見の取り方に付いて勉強していた。
- 昨日は現病歴を取ったのだけど、かなりやり残しがあったことに気付く・・・。
- 午後からの講義は、なんかいまいち身が入らない・・・。
- 講義後に身体所見を取りに行くのだが、かなり不安だ・・・。
- 講義後、しばし病室の前で立ち止まって、呼吸を整えてから中に入った。
- 患者さんの、「それはどんな事が分かるの?」という学生いじめの質問に詰まりつつ答える・・・。
- んで、終わってみれば、やり残した事多数・・・。
- 何を思って何をするのか・・・。
- これが重要なんだな。
- 終わってから猛反省・・・。
1998年9月2日(水)/第三内科・3日目
- 朝から凝固系セミナーがあった。
- DIC(Disseminated Intravascular Coagulation)についての講義だった。
- それと同時に、血液凝固系のテストなんかについても説明があった。
- あかん、すっかり忘れとる・・・。
- ここで覚えとこ。
- 次にポリクリ(外来実習)。
- グループで、外来の患者さん一人を診るのだ。
- もちろん、教授も診るんだけども・・・。
- 時間はかかったけども、担当の先生に助けられて、何とか終了。
- 教授の、身体所見の取り方なんかを観察して学んだ。
- 午後から友達と身体所見のとりかたを再度復習。
- 昨日やれなかったことをやらせてもらいに患者さんに会いに行った。
- 患者さんはよく本を読んでいる。
- 暇で仕方ないそうだ。
- 新人の有るべき姿について、熱っぽく語られる。
- 明日は教授回診。
- 教授に患者さんのプレゼンをする。
- 主治医の先生に聴きに行ったら、読むべき文章(Short
Summary)をカルテに書いておくとのこと。
- 明日早目に来ることにする。
- 英語の抄読会の論文が決まった。
- 僕は骨髄移植の拒絶反応について読むのだ。
- 期日は16日まで・・・。
- 忙しい・・・。
1998年9月3日(木)/第三内科・4日目
- 疲れはピークだ。
- しっかし、朝7時過ぎに病棟に行き、主治医のカルテをチェック。
- 教授にちゃんと言えるようにがんばんないと。
- それから、色々読み返して、患者さんの状態を把握!(したつもり)
- 朝8時から新患紹介、そしていよいよ教授回診。
- この教授の存在感は何でしょう・・・。
- やはり、教授は凄い・・・かも。
- 僕の患者さんの番が近づき、主治医のK先生の励ましを受けて、どりゃ〜!!
- 結構すらすら言えた。
- 教授の突っ込みにはK先生がフォローしてくれて、何とか終了。
- でも11時まで立ちっぱなしで疲れた・・・。
- それから、医局症例検討会の見学。
- かなりの準備期間と資料。
- でもものすごく突っ込まれてる。
- 僕らも症例検討会あるけど、こんなんじゃないことを祈る・・・。
- 午後から、患者さんと話す。
- 明日から化学療法が始まる。
- 「頑張ってください」
- と言ってから、なんか変な気分になった。
- やっぱり、変かな?
1998年9月4日(金)/第三内科・5日目
- 朝から血液セミナー、呼吸器セミナーがあった。
- う〜ん、講義と違うこの頭に入りやすさは何でしょうか?
- 勉強になるなぁ・・・。
- それからポリクリ。
- 今日は適当な患者さんがいないので、助教授による身体所見のとりかたの講義。
- 何度でも勉強になる。
- 心音を聴く時は何を聴くのか、呼吸音は?
- 打診では何を見るのか?
- やはり、教科書を読むより分かりやすいよね。
- 午後から、患者さんのところに行ったら、CHOP療法の第一回目を受けたという。
- 少し悪心があるそうだ。
- 外泊許可が取れるか気になさっていた。
- 今週は全く、ほんとに長かったなぁ・・・。
1998年9月7日(月)/第三内科・6日目
- 今日は朝11時からだったが、予定されていたセミナーが中止になった。
- しかも僕は昨日から熱が下がらず、なんかまるで茹ってる気分だし・・・。
- というわけで、家に帰って寝た。
- 夕方から、カルテのチェックにだけ行った。
- 患者さんに風邪を移したら大変だしね。
- それから、しばらく文献を読んで帰ってきた。
- 明日から勉強会だ。
- 早く風邪を治さなくては・・・。
1998年9月8日(火)/第三内科・7日目
- 今朝は少し早目に学校に行って、勉強会の準備をした。
- それから呼吸器セミナーを受けて、昼食・・・。
- 午後の講義中も、勉強会が気になって、問題集をちらちら見ていた。
- 講義後、患者さんに会いに行く。
- 悪心が結構ひどいそうだ。
- 後、喉が痛いとおっしゃっていた。
- 顎下リンパ節が腫れていたが・・・。
- 風邪をひいたのでしょうか?
- それから勉強会。
- 血液系の臨床問題をみんなでやった。
- しっかし、なかなかきついなぁ・・・。
- 2時間ぐらいやっていた。
- 復習もしなくてはならんし・・・。
- それに、英語の論文が今日は少しも出来なかった。
- 明日は朝からだ・・・。
- 睡眠不足な日々は続そう・・・。
1998年9月9日(水)/第三内科・8日目
- 睡眠不足な日々がたたった・・・。
- 朝起きたら8時!!
- 8時からセミナーなのに!!
- 今からどんなに急いで行っても8時半過ぎる、しかも汗でぐしゃぐしゃになって・・・。
- 仕方ない、9時のセミナーに間に合うように行こう。
- ま、ちょっと失敗だったけど、良く寝たおかげで、風邪はずいぶん良くなったし(プラス思考)。
- セミナーでは幹細胞移植についてやったが、これが少し延びた。
- それから、採血実習。
- 過去何度も採血で苦汁を舐めてる僕はかなり緊張した。
- 一度目失敗・・・。
- が〜ん。て、手が震え出す・・・。
- また失敗に終わるのか?
- しか〜し、二回目、見事成功!!
- ある程度、思いきりが必要なんだと分かった。
- 次の採血が待ちどうしい(←単純な奴)。
- ところで、二度も刺させてくれたARINKO君ありがとね。
- その後ポリクリ。
- セミナーが延びたせいで、予定より二十分遅くなった。
- 外来に行ったら、助教授先生がオカンムリ。
- 患者さん待たせるとは何事だ、と。
- すみませんでした、浅薄でした。
- 以後気を付けます。
- 患者さんは若い女性の方。
- 血小板の減少を指摘されての来院とか。
- みんなで協力して病歴をとり、身体所見は女性陣に任す。
- これについて異議申し立てるものもあり。
- ま、一理あるけどね(決して変な意味じゃないよ)。
- 午後からの講義は相変わらず気合抜けてます。
- 小児科のプラカンだったけど、今日は座ってるだけですんだ。
- それから患者さんのところに行った。
- 昨日の喉の痛みは治まったとか。
- でも、主治医の先生が見付からない。
- 質問が色々あるんだけど・・・。
- 我が班のブレインPARAPPA君が調べ物をしていた。
- 彼は今週末に症例検討会だ。
- ご苦労様です。
- ちなみに僕は来週・・・。
- 抄読会の論文は意味不明。
- たまらず質問に行ったら、それについてさらに成書を読めと言われた・・・。
- 学問に王道無し・・・。
- そういうことだろ。
1998年9月10日(木)/第三内科・9日目
- 今朝はちゃんと起きれた。
- と言うか、ほとんど寝れなかった・・・。
- ま、それはともかく、8時から新患の紹介、9時ごろから輸血実習をした。
- 昨日採血した血液で、ABO、Rh‐D式血液型と、交差適合試験の判定をするのだ。
- ABO、Rh‐D式血液型は、法医学の実習でやった時があった。
- 自分のを自分でやっても仕方ないので、僕はCHIMA君の血液でやった。
- 単純な操作で、大体みんな成功していたが、個人差で、結果がうまくでない人もいた(病的では無い)。
- 次にやったクロスマッチテストは、患者血と輸血する血液の適合を見るものだ。
- みんな始めてやったので、苦戦していた。
- ま、それでも僕はCHIMA君に輸血が必要な時、彼にちゃんと正しい血液をあげることが出来るのだ!!
- (やり方はまた別だけど)
- 何とか無事に終わり、それから輸血と輸血後GVHDについて講義があった。
- 慌てて昼ご飯を食べ、午後の講義は耳鼻科学・・・。
- 昨日あんまり寝れなかった僕はグーグー寝てしまったのでした。
- しかし、鰓弓の発生ってややこしくてやだな。
- 講義後、苦戦中の論文を少し読んで、その後患者さんの元へ。
- 今日は教授回診だったらしく、「教授は打診がうまかったよ」とおっしゃっていた。
- ま〜、なんていいひとなんでしょう・・・。
- 教授と比べられてもね・・・。
- それはともかく、朝方喉が痛いそうだ。
- 主治医の先生は、大丈夫だとおっしゃってたから、大丈夫なんでしょう。
- カルテを記載していたら、看護婦さんの嗚咽が聞こえてきた。
- 何かミスがあって、医師にムッチャきつく言われたらしい・・・。
- 頑張ってください!!
- そうそう、頑張らなくてはならないのはこの僕だ!!
1998年9月11日(金)/第三内科・10日目
- 今朝はオオボケかましてしまった・・・。
- 朝起きて学校に向かった(僕は歩いて通学してます。大体15分かかる)。
- 学校のロッカールームについて白衣に着替えてから気付いた・・・。
- な、なぜ僕はジーンズをはいてるんだぁ!!
- 臨床実習では、服装に気を付けるようにって、散々言われているので、当然ジーパンなんかだめなんです・・・。
- 帰って着替えようかとも思ったけども、そんな事したら完全に遅刻。
- 幸い、8時からはBSTの症例検討会、10時からポリクリだったからその間に着替えに帰ろうって事で何とかなったけど・・・。
- ちょっと気合抜けてたかな?
- いや、疲れてボーッとしてたんでしょう。
- 症例検討会ではPARAPPA君が発表していた。
- さすが我が班のブレイン。
- 先生も、よく勉強してるねっておっしゃってた。
- 僕は今から準備不足になるのが目に見えてるから、ちと不安。
- 来週は英語もあるし・・・。
- その後、焦って着替えに帰って、何とか10時前に帰ってきた。
- そしてポリクリ。
- 便秘症の中年男性だった。
- その人は、僕らの手際が良くないので、ちょっと苛々していたみたいだった・・・。
- 昔のように、大学だから勉強させてもらって当然の時代は過ぎたらしい・・・。
- 僕達は、患者さんに対してより一層真摯な態度で臨むことが求められるのだろう。
- 知識がついて行かなくて、時々分からなくなるけれど、臨床の場にいるだけでも学ぶことは多い。
- その後講義だったが、今夕の勉強会のための問題を解いていた。
- 5時から抗燐脂質抗体のセミナーを受けた。
- かなり重要な分野らしいが、途中から話が専門的になって行って、わけわかりませんでした。
- 僕らも大学に残ったら、こんな風に何かを研究するのだろうか、しようと思うのだろうか・・・。
- 今は只、時間に追い立てられて、勉強しているだけだからな。
- その後、6時半から勉強会。
- 忙しいから、みんな準備不足の感をぬぐえない。
- 勉強会については色々あるけど、長くなるのでまた今度。
- 最後に、今日は忙しすぎて、患者さんに会いに行けなかった〜!!
1998年9月14日月曜日/第三内科・11日目
- 8時半からびまん性肺疾患セミナー。
- たっくさんある肺の疾患で、レントゲン上の異常をかいつまんで教えてもらった。
- その後、症例検討会。
- 僕が司会の症例もあった。(ホジキン病)
- 自分の発表は木曜日にせまってるが、用意の方は・・・う〜ん、ちょっと待ってくれ〜って感じ。
- その前に、水曜日に英語の発表があるからな・・・。
- 午後からは講義だったけど、英語を読んでいました。
- 患者さんのところに行ったけど、体調は良さそうでした。
- 土日は外泊してらしたそうで・・・。
- ただ、化学療法の副作用で、白血球数が低下していた。
- 感染症には注意してもらわないと・・・。
1998年9月16日水曜日/第三内科・12日目
- 今日はほとんど寝てないです。
- 午後から、抄読会なもんで・・・。
- 9時からは症例検討会。
- ARINKO君の悪戦苦闘を見ていて、明日の我が身かとかなり憂鬱になる。
- その後ポリクリ。
- 今日は教授がいらっしゃらないらしく、全員、助教授に指導を受けた。
- 患者さんは再生不良性貧血で、術前の精査目的でいらっしゃっていた。
- それで、今回は僕が病歴をとる事になった。
- ここにいらっしゃった理由は?
- 症状が出始めたのはいつか、どんな経過か、最近気になる事はないか、などなど・・・。
- 独りでは聴くことが分からなくなってしまう・・・。
- みんなの協力の元、何とか病歴をとった。
- この場合は疾患名が分かっていたわけだから、それに関連する症状を思い浮かべて質問をすすめていけば良かったのだが、いざ患者さんを目の前にすると、なかなかうまく行かない。
- ちなみに、AAで重要なのは、汎血球減少です。
- この後、血圧を測ったのだが、なかなかうまく行かず、3回も測り直してしまった。
- 優しい患者さんで良かった・・・(汗)。
- 身体所見をとってる間に病歴をまとめ、助教授の前で発表。
- この時、助教授にいくつかの点を指摘されて、ああ、まだまだ甘いと実感(当たり前だけど)。
- それで、助教授が身体所見をとってる時に、ひじ内側の紫斑(皮下出血)を指摘。
- 患者さんも、いつ出来たか分からないって・・・はっ!!
- やば!!
- 僕だ!!
- 出血傾向がある患者さんなのに血圧を3回も測ったから、マンシェットのせいで皮下出血してしまったのです。
- 僕の人生最初の医療事故(?)
- 大した事ないのだけど・・・どうも失礼いたしました!!
- 午後から講義、そしてとうとう英語の論文の抄読会。
- 2つあって、一つはサラッとやって、もう一つはドップリと、いやジックリとやりましょうとのことで・・・。
- かなり詰まりつつも、それでも何とかやり遂げたのでした!!
- ちなみに、ジックリやったのは、骨髄移植後の拒絶反応の防止とGVHDについて・・・。
- やった、終わったと思ったら、「80点」とか言われて・・・。
- おおまか良いけど、こことここを直して、もう一度紙にまとめてきてとか言われた・・・。
- もう、解放してくれ〜。
- その後、肺癌セミナー。
- スライドが速すぎて、何も分からんかった・・・。
- 患者さんのところに行ってから勉強会。
- キッツ〜い。
- 夜遅くまでやっていたのでした。
- これから家に帰って、明日の症例検討会の準備をしなくては・・・。
1998年9月17日木曜日/第三内科・13日目
- 症例検討会は9時から・・・。
- 僕の症例のプリントが出来上がったのは8時半・・・。
- いかにせっぱ詰まってるか分かろうというものだ。
- 昨日はほとんど寝ていない。
- ひとり30分の割り当てだから、3人目の僕は10時から。
- 前二人の発表を聞き、先生の突っ込みを聞いていて・・・弱気になる時間は十分にありました。
- そいで僕です。
- 幸運なことに(?)、前二人で時間をかなり食っていて、先生も急いでいる。
- 行ってしまえ〜ってな感じで、僕は消化器の非ホジキン病の治療について話した。
- 先生のフォローも受けつつ、何とか終わった。
- 正直言って、恥ずかしくなるような出来だったけど、終わった〜という安心感でいっぱいでした。
- その後昼食・・・。
- 久しぶりに、食堂でゆっくり食べれた。
- 午後からの講義は寝てしまいました。
- その後、患者さんのところに行って、そしてこの日はさっさと帰って寝た。
- 起きたら午前4時で、もう何もする気になれず、朝まで寝た。
1998年9月18日金曜日/第三内科・最終日
- 寝過ぎた・・・。
- 朝8時半からの症例検討会は出れなかった。
- 10時からのポリクリに行ったら、この日は朝は欠席者が多かったらしい。
- みんな気が合うねえ・・・。
- そしてポリクリ。
- 今日の患者さんは、全身倦怠感、易疲労感を主訴とする方だ。
- 貧血?
- 汎血球減少?
- 肝臓?
- いろいろ考えながら、みんなで現病歴をとった。
- そして助教授の前で、PARAPPA君が身体所見をとった。
- 下が地図状であることを除き、特に異常は認められないようだった。
- 検査結果がまだだったため、詳しいことは分からないが、特に異常なさそうとのこと。
- 助教授が、「大分スムーズにやれるようになったね」
- とおっしゃったけど、一人でやるとなったらどうだろう・・・。
- しっかり練習しておかなくては・・・。
- 午後の講義後、患者さんに会いに行って、最後の経過観察、身体所見をとった。
- 「どうもありがとうございました」
- と言ったら、
- 「しっかり勉強してや」
- とのこと。
- はい!!がんばります!!
- ほ〜んと、がんばんないと・・・。
- その後勉強会。
- 終わったのは8時ごろでした。
- 今週末は少しゆっくりしようかな・・・いや、させてくれ〜って感じ。
- 来週からは歯科口腔外科。
- がんばろっと(少し肩の力を抜いて)。