ううーん!いい朝。
でも、なんか頭がずきずきする‥‥‥これが二日酔いね。ミサト先生のせいだ。
あ〜あ、いっぱい散らかしちゃって。
まだ、みんな寝てるみたい。今日、学校どうするんだろう。
あれ、お姉ちゃんと碇くんがいない!どこ行ったんだろう。
となりのトリオ Walking:07 いつもと違う朝
「あら、レイちゃん起きてたの?」
「はい」
「かなり散らかってるわね」
「ホント、掃除が大変ですね」
「ああ、掃除は私がやっておくから。レイちゃん達は学校でしょ」
「えっ、学校行くんですか」
「そうよ、じゃぁ、早速シンジを起こしてきてもらおうかしら」
「えっ、今日からですか」
「もちろん、そうよ」
「でも、碇くんいないんですが、どこか行ってるんですか」
「さぁ、メイちゃんもいないから一緒じゃないかしら」
「そっ、そうですか。あ、ははは。ありがとうございます。」
ううっ、碇くんのおばさまの笑顔が‥‥‥なにか企んでる子供みたい。
でも‥‥碇くん達どこ行ったんだろ。
とりあえず顔でも洗ってこよう。
ええっ!あれ、お姉ちゃんと碇くんじゃない。どうして、こんな時間から一緒にいるのよ〜
どうしようかな‥‥‥このままほおっておけないし。
しょうがない、呼びに行こうかな。
「お姉ちゃーん、碇くーん」
「あっ、綾波」
「何?」
「あっ、ごめん。僕の方から言い出しておいてわすれてた」
なに?お姉ちゃんと碇くんだけの世界に入っちゃって。
それに‥‥碇くん、お姉ちゃんに微笑みかけてるし。
私が黙ってその様子を見てると碇くんがこっちを向いた。
さっきと同じ笑顔で‥‥‥‥‥
「ごめん、二人とも綾波だったら呼びにくいから君の方はレイさんって呼んでいいかな?」
えっ、なんか嬉しい。碇くんが私のしたの名前で呼んでくれるなんて。
「うん、もちろんいいわよ、でっ、お姉ちゃんは?」
「お姉さんの方は綾波って呼ぶことにしたから」
「そうなんだ」
まっ、鈴原君みたいに『綾波弐号』って呼ばれるよりましかも。
「おばさまが呼んでるわよ、碇くん」
「ありがと、じゃぁ、ちょっと行って来るね」
碇くんは玄関の方へ行っちゃった。
「ねぇ、お姉ちゃん、どうして碇くんがここにいたの」
「‥‥‥わからない、目が覚めたら隣で寝ていたわ」
「目が覚めたらって、昨日からずっとここにいたの?」
「ええ、夕べ、夜風にあたりに来て‥‥‥‥眠たくなったから、横になった」
「で、目が覚めたら横に碇くんがいたの?」
「ええ、そうよ」
「‥‥‥‥」
「何?」
「あっ、なんでもない。お姉ちゃんも急がないと遅刻するよ」
「わかったわ」
「鈴原、さっさとしなさい。遅刻するじゃない」
「ほんまうっさいやっちゃなぁ。そんならさきにいったらええがな」
「それが人に親切にされたときに返す言葉?」
「な、なんや、わかったから、その顔やめてんか」
「えっ、そんなに怖い顔してた?」
「ああ、そりゃもうこの世のもんとは思えんぐらいに」
「なんですって、もういっぺん言ってみなさい」
「そんなことより、急がんでええのか?」
「あっ、そうよ。ほら、レイも碇くんも急いで」
はぁ〜、ヒカリはいいわね。鈍感だけど、案外わかりやすいもの、鈴原君って。
でも、お姉ちゃんがあそこに居たのはともかく、なんで碇くんまで一緒にいたの?
お姉ちゃんに聞いても無理だろうし‥‥‥碇くんに聞くのもちょっとね。
まっ、悩んでも仕方ないかな。あとでヒカリに相談でもしてみようかな。
でも‥‥‥レイって呼んでくれるようになったからいいか。
いつものあたしでいなくちゃ、葛城先生になに言われるかわからないもの。
キーンコーンカーンコーン
「起立」
「おはようございます」
「着席」
「昨日はちょっち訳ありで早退したけど、転校生の碇シンジ君、よろしくね」
「はーいい、でもミサトセンセ、シンジの席ないんちゃいますか」
「えっ、そうだっけ」
私も思わず後ろをみた。
そしたら‥‥‥碇くん、この世の終わりみたいな顔して後ろにたってる。
まるで、赤木先生にたたされた鈴原君みたい。
「ふふふ」
あっ、いけない。思わず笑いが口に出ちゃった。
「あーら、レイ、なに笑ってんのぉ?」
「えっ、あははは、なんでもないです」
「そうかしら、ねぇ、シンちゃんもなにか言ったら」
「ミサト先生の言う通りだよ。これじゃぁ、なんだかさらし者みたいで‥‥‥」
「ですって、レイ」
「はぁ〜」
「なーに、その頼りないため息は」
「気にしないで下さい」
「そ、そう?まっ、いっか。じゃぁ、シンジ君は窓側の一番うしろの席に座ってくれる?あとで机持ってくるから」
「はい、わかりました」
「そんじゃぁ、ホームルームは終わり、解散」
窓際の一番後ろって、私のとなりの席!