自己を見つめ、自らの生き方を追求しようとする生徒(1年理科 A男の場合)
28 Feb. 2005
(1)生徒の活動、事実
実験・観察においては、測定結果のほかにも自分の気づいたことをプリントに記録している点が他の生徒と比べて目立っていた。
また、ある授業でのA男のプリントには、以下の記述がある。
「酸性の塩酸と酢は、泡が出てきたけれど、アルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液は
あわが出てこなかった。酸性の水溶液には金属を溶かして水素を発生させるはたら
きがあった。酸性雨などで銅像がとけたりすることと同じだと思った。」
授業の中でわかったことから、自分の身のまわりでみられる現象まで結びつけてプリントに記述している姿がみられた。
理科の学習でめざす姿として、「生活との関わり」という観点から、自分の生活の中での体験をふまえて考えることができる姿がみられた。こうした記述は、A男の普段の学習態度として、課題に対して集中して取り組み、実験・観察を意欲的に行っていることが実を結んでいると考える。こうした姿を評価するほか、学習の中で特に注目しておくべき事、まとめる際に参考となる事を適切に指導することが大切と考えている。
(2)自己を見つめる
「身のまわりの物質」の単元では、教科書通りの結果が必ずしも得られなかった実験がいくつかある。結果交流の場面では、「思うような結果が出なかった場合こそ、自分たちの実験操作を思い出して、そうなった原因を考えることで有意義な実験になるよ」と指導している。その際、(1)で述べたように実験・観察において気づいたことやある時刻から実験の条件を変更した記録が有用であることを強調した。
A男に限らず、ほとんどの生徒は実験プリントに自分たちの実験から得られた事実をありのままに詳細に記録できている。
(3)人との関わり
班での実験・観察においては、準備・片づけも他の班員と協力でき、学級の中でも早めに結果整理に移ってよい姿を示すことで授業に取り組む雰囲気づくりに協力できている。
(4)今後の自分の在り方、生き方を考え、歩み出している姿
授業のふりかえりとして、内容の理解のほか「学級の仲間と協力できたか」・「課題に対して集中して取り組めたか」という観点からも自己評価としてノートやプリントに書かせている。
A男のプリントでは、「最初は物質による違いがわかりにくかったけれど、こういう操作のあとで結晶がたくさん出てきたので驚いた。」「同じ方法で、他にもこういう物質の性質について調べてみたい。」という感想もみられた。