■Adaptation
Being John Malkovichの監督・脚本家組が復活との事ですんごい期待してたのに結構悲惨でショックをうけた作品。一言でいうと展開が尻つぼみ。映画の始まり方(真っ暗のスクリーンに二コラス・ケージ演じるチャーリー・コフマンがぶつぶつ独り言をいうてる場面から映画は始まる)から本来は存在しないチャーリーの双子、ドナルドのキャラクターといい、前半はすごい良かった。原作のThe
Orchid Thiefを読みたくなるようなスーザン(メリル・ストリープ)とジョン(クリス・クーパー)の前半でのやり取りも素晴らしい。ただ後半は時計で時間確かめるほど展開がちゃちいB映画のようになってしまってて、こんなにいっぱいええ役者使ってるのに後半の悲惨な結果のせいで映画の全体の感想も「あーあ、なんか損した」と思えてしまう。二コラス・ケージ、実は嫌いやなんけど、この映画は個人的に彼がオスカーを勝ち取ったLeaving
Las Vegasよりええ演技をしてたんとちゃうかと思う。しかしメリル・ストリープの候補は不明。(これなら上のThe Hoursで演じたクラリサのほうがまし)
■Road to Perdition
DVDを借りてきたんやけど、自分の趣味からいうと「あー、こんな映画、レンタルで借りるのももったいない」と思ったくらい。ほんま、HBOとかCinemaxで放映されるまで待っても十分。多分トム・ハンクスが今までの役柄と全然違った系統のキャラを演じてるから話題になったんやと思うけど、別にたいした演技でもないし。オスカー候補にあがってるポール・ニューマンも年やからなんとなく義理オスカーなんて出るんとちゃうか…(近年多いし、去年のデンゼル・ワシントンとか、絶対ショーン・ペンかラッセル・クロウが受賞すべきやったのに、演技からいうと。ハリウッドが嫌ってる性格俳優やから二人とも負けてしまったし)と不安に思うくらいの演技。一番良かったのはすごい気持ち悪い役を引き受けてるジュード・ロー。最後のシーンで「ビックリ仰天」の展開とか新聞の広告に書いてたけど、私とクリスは映画とおりの展開を予想してたので「な〜んや」で終わり。全く身の無い映画でした。
■About a Boy
アメリカ映画に出てき始めてから演技力が無くなったとしかいいようのないヒュー・グラントが主演の映画やけど、これはなかなかの好作。ま、脇役のヒッピーシングルマム、トニー・コレットや彼女の息子役の子役が良かったのでそれでヒュー自体もまともに見えたんかも知れんけど。ヒュー・グラントが演じる主役のウィルが「無職」(それも自分のお父さんが一曲ヒットを書いた著作権で優雅に生きてる)っていうところが観客が「なんて嫌なやつ」と思うのに最適なのがちょっと変わってていいなと思った。これは本から映画化された部門の脚本賞のノミネート。他の作品にはChicago、AdaptationやThe
Hoursがあがってるから勝つのはムリかな…
■My Big Fat Greek Wedding
これ、トム・ハンクスの奥さんで女優のリタ・ウィルソンがプロデュースして、アメリカで一番稼いだインディー映画なんやそうやけど、結果からいって「映画館で見なくてよかった」というのが私の感想。はっきりいって単なるSlapstickコメディー。例外なのは親父が面白かった事。お父さんが娘とその友達を学校に送って行く車の中で「何でも由来はギリシャ語」の説明をしちゃうシーンは結構笑えた。あんまりにも大ヒットしたので近日テレビ番組として登場するそうやけど、私はあんまり興味ないな。こんなんよりよっぽどBeing
John Malkovichのほうが面白いし、劇場でみる価値ありと思うけど。ただこれはオリジナル脚本でノミネートやからもしかしたら勝っちゃうかもね。
■Y Tu Mama Tambien
メキシコ映画がオリジナルの脚本賞にノミネートっていう事で外国語の映画のノミネートは追わない私たちも見ることになった映画。喋りの多い映画。というかスペイン語わからんので聞いてるとひっきりなしに喋ってるような気がする。(だから字幕読むのも疲れるよー、私みたいにスペイン語わからん人は)青春映画と一言でいってしまうとちょっと間違ってるんかも知れんけど、最初に二人の男の子の生い立ち(?)を紹介するシーンと映画の後半までははっきりいって、Dude,
Where's My Car?とあまり変化のないアホっぽい映画。最後の最後に「あ〜、それでか…」という締めくくりがあるから落ち着くので話の持っていき方は良いかも。これはMy
Big Fat Greek Weddingと同じカテゴリーでの対戦。私やったらこっちとるかな。
■The Lord of the Rings: the Two Towers
2作目のほうが断然良いとこれまたゲームおたくの友達に聞かされてたので、クリスと共にかなり期待して観にいった映画。それも本当はChicago(後日見る予定)を観にいったのに映画館についてから「あぁ、やっぱりこっちにしよう」と急遽変更したのであります。いやー、この映画ってキャスト皆さん(一作目で死んじゃったボロミア以外)は静止した状態でみるとけっこう不細工な男やと思うんやけど、レンジャー、アラゴーンのカッコええ事!それもゲーム/ファンタシーおたくに大受けやろうと思われるレンジャーのスキルをピピンとメリーの痕跡を追うシーンでバンバン見せてくれます。多分最優秀作品賞にはノミネートされたものの、受賞はしないやろうと思うけど、これこそ映画館に行って見る価値あり!Helm's
Deepでの戦闘シーンは迫力大!(ちょっとViolentですが)そのすごいスケールの葛藤シーンの最中にレゴラスとギムリが2作目でコミック・リリーフになってしまってるところが気が抜けていてよろしい。(戦闘中にギムリが「2人殺したぞ!」とレゴラスに誇り気に言うとレゴラスが「僕は17人!」という返事をしたり… 長い人間用のチェーンメールしかなくてギムリが長すぎる防具をきて登場した際に長さの事には一切ふれず「もうちょっと胸囲がないと」とぶーたれるシーンでもやはり劇場は爆笑。) レゴラスを演じるのはオーランド・ブルーム君いうれっきとした男優やねんけど、レゴラスしてる時はどうしても女の子にか見えないのは私だけなんかしら… 彼だけやなくてエルフ系の人が瞬きをあんまりしないのもちょっと気味悪い。2作目でフロドを完全に影に追いやって主役をしているアラゴーンがエルフよりもエルフ語をよう喋るのも面白い。ちなみにこのエルフ語、実際にJRRトルケンのファンの言語学者が北欧の言語をチャンポンにしてこの映画製作の為に完成した言語で話されてるのだそうです。
■Catch Me If You Can
父親を演じるクリストファー・ウォーケンのみが候補にあがっているこの作品はクリスマス前に試写会の券が当たって観にいったんやけど、無料で見れたから感想抜きに素直に楽しめる映画やったけど、お金はらってまで観にいってたかは疑問。主役のフランクJrを演じるレオナルド・ディカプリオは実際は27歳で高校生のようにしか見えないから16歳の主人公の役がぴったりに見えるけど、実話に基づくと本物のフランク・アビニェールは16歳ですで40過ぎのおっさんに見える容姿やったのでパイロットになり過ごしたりできたとのこと。しかし内容的には「かわいい」映画というか別に人を殺したり、そういう系統の犯罪を起こすんとちゃうから見てて「ははは」と笑える娯楽映画。映画自体も楽しめると思うけど、最初のクレジットのシーンのアニメーションが素晴らしいので私はそれに見惚れてしまった。候補にあがってるクリストファー・ウォーケンもいい味だしてるけど、今年の男優候補は主演も助演も演技派ばっかりでかためられてるので、すでにオスカー受賞者である彼も勝てるかどうかは3月23日までわからんといったところでしょう。ちなみに主演の候補者は1人を除いて皆さんすでにオスカーを持ってる人ばっかり。助演のほうは個人的には近年ずっと候補にあがってるのにまだ受賞してないエド・ハリスかマグノリアでの警官役からすごい気に入っているジョン・C・ライリーに受賞してほしい!