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  ニューヨークで手術!(病院のお話)
     
 
02/09/05 数日前に長年悩まされた掌の多汗症を治すための手術をしてきました。その時のお話。

気温、体調、感情等々に全く左右されずポトポト落ちる汗を手だけにかく体質だったんですね。遺伝かもしれないのでもしかしたらthyroid(甲状腺)になんか問題があるんかなーとendocrinologistのオフィスに行って診察してもらったけど「甲状腺には問題無し」との結果。皮膚科に行っても「ま、汗かきの人もいるし」ってな状態で、何が原因で手の平だけに汗をかくのかがわからず。

去年31歳になる直前の夏の終わりにDiscoveryチャンネルでMayo Clinic特集をしていたのをぼーっと見ていたら「珍しい病気」を紹介していて、その中の患者のティーンの子が私と全く同じ症状!

ボーッと見てた状態から、椅子から身を乗り出してテレビに集中、そして私の病名が多汗症(Hyperhidrosis)と判明!Mayo Clinicは遠いのでその場でニューヨークにも専門家がいないかと探したところ、私の手術を担当してくださったColumbia Presbyterian病院のゴレンスティーン先生のサイトを見つけたのであります。

さっそく次の日に診察・コンサルテーションの予約を入れようと電話。しかし、普段は全然お医者に行かない私なので2004年の保険プランは一番毎月お給料から引かれる額の少ないHMO(Health Maintenance Organization:要するに一番医療機関を利用する際に色々な規制がある)にしていた事から手術だけでなくコンサルテーション(保険なしやと$350)もHMOでは効かないとの事。それを聞いて2005年の保険のプランはColumbia Presbyterianで使える保険会社の一番良いのにしようと誓った。だいたいアメリカ企業やとどこでも11月頃に次の年のプランの詳細が書いてあるパンフレットを受け取って、2,3週間の間に決める。

さっそく1月に保険のプランが変わった瞬間にコンサルテーションを受けにColumbia Presbyterian+コロンビアの医大のキャンパスがある168丁目、ワシントン・ハイツへ。10年以上前にワシントンハイツに行った時にはありえなかった状況にA電車の中で遭遇する。私の隣はkate spadeの鞄にひじをついてウトウトしているアジア系の若い女性。私の前に立っているのはイースト・ビレッジにでもいそうな白人の高校生くらいのカップル。医大生や医大に働いている人&スペイン語混ざりの会話をしているかわいい高校生の女の子達が多々。やっぱ最近はマンハッタンの土地代爆発でヤッピー系もどんどんこのへんまで移り住んでるんかしら?

先生に合った 瞬間に「型で押したようなHyperhidrosis患者」と診断される。多汗症には色々な治療法があるんやけど(その中には手の平にBotoxを打つってのもある)手術以外には私のような重症なケースには全く効果がないらしい。そこでその場で2月3日に手術の予定を入れてもらう。

私の病状のように普段の生活には困るけど、命にかかわりのない病状をなおす手術はelective surgery(ようするに選択手術)と呼ばれる。だから会社の人にも「木曜と金曜は手術の為病欠」と言っておけるので便利というか都合がいい。しかし会社の人に「えぇ!!!!手術?一葉、大丈夫?」と余計な心配をされて、手術も全身麻酔も初めての私は人のリアクションをみてちょっと心配してしまった。

手術はどんな事をするのかといいますと、全身麻酔を行って、肺から空気をだして平たくした後、呼吸器をつけてから脇の下に約1センチ程の幅にメスを入れて小さなカメラを挿入。もう一つ1センチ程の切り口を作ってそこにharmonic scalpelという特別な小さいメスを入れて背骨脇にあるsympathetic nerve(交感神経)の一部を切るもの。片方ずつ行って両方で手術事態は1時間もかからないそうです。(「そうです」って私は寝てたので)

まず手術の前にレントゲン写真、血液検査そして30歳以上の人はEKGなどのテストをします。Columbia PresbyterianでもPre-opのこういうテストが出来るんですが、なんせミッドタウン・イーストのうちからめっちゃ遠いので近所でしますというと「これこれこういうテストをしてください」という指図を処方箋の紙に書いてくれる。

私は私のお医者さんで血液検査とEKGをしてもらって、近所のLenox Hill Hospitalでレントゲン検査をしたんですが、Lenox Hillでチェックインした時に面白い事にレントゲン写真の枚数のところに「自分用にコピーが欲しい方はここをチェック」という欄を発見。興味津々の私はちゃんとチェック。ちなみに1枚12ドルで、デジタル画像をCDに焼いたものは30ドルというのもあるらしい。なんか病院もそんなもん売っちゃったりする時代なのか?

手術の当日は6時半に病院にチェックインしてくださいと言われて、空港なんかに行くときに予約するタクシーを手配しておく。朝の渋滞前だったので6時10分くらいにすでに病院に到着。

保険のカード、私の身分証明書、両親の名前(これにはびっくり!)等々の質問に色々答えた後に右の手首に私の名前、生年月日、担当医の名前がかかれた名札を付けられる。

その後ちがう部屋にいってガウンに着替える。2つガウンをもらって一枚目を後ろ開きに、二枚目を前開きに着てね。といわれる。上半身しか関係ないねんけど、全身裸になってといわれる。

ガウン姿で待ってると次から次へと同じ用な質問をする看護婦・看護士さんが来る。まず何の手術(Endoscopic Thoracic Sympathectomyと何度も言わさされる)年齢、名前等々。その後麻酔のために血液をちょっととられてIV(点滴)を打たれる。厄介な事にこれをさされてからトイレに行きたくなったので、点滴のついたポールごとトイレまで旅する羽目になる。

2枚着ててもガウンでは寒いのをでそれを看護婦さんにいうと暖められた(本当にホカホカ)タオルを持ってきてくれる。これは気持ちよかった。

8時30分から始まる予定の30分前に麻酔専門医(anesthesiologist)登場。これが若くてお姉さん先生だった。今まで全然緊張もしてなかったのに、看護婦さんじゃなくてお医者さん登場で急に心臓がどきどきしてきた。(特にもしもの場合の輸血の話とかされてちょっとびびる)チャットは10分くらいで私は健康体なのでこのお姉さんと一緒に手術室まで歩いて行く。この時点で付き添いにきていたクリスは待合室に私の服や靴と共に追いやられる。(ちなみに一人で手術に来る人のためにロッカーなどもある)

手術室にはビデオのモニターとともに3,4人のニコニコの看護婦さん、めっちゃ眩しいライトが。勿論私の手術台が部屋のど真ん中にある。二枚目のガウンを脱いで台に寝転がるように指導される。めちゃめちゃ寒い。しかしすぐにぬくぬくタオルを5枚くらいくれる。その間にお姉さん麻酔医は鎮静剤を私の点滴に入れる。4秒くらいで非常に「落ち着く」を越してこれが多分「ハイ」なんだなというくらい結構気分のよい酔っ払った状態になる。最後に覚えてるのは麻酔医のお姉さんが「大学では何専攻してたん?」という質問に私が「建築学」と答えた後、彼女が「じゃ職業は建築家?」と聞くので「いや、ウェブ系の仕事」と私が言うと彼女が笑いながら「専攻と職業って全然違う時もあるのよねー」と言うてニコニコしてた事。多分その時点で麻酔を点滴に入れられたんでしょう。実際にゴレンスティーン先生は見んかったし!

私が回復室で目を覚ましたのは11時。誰かが私の名前を呼んでるから答えようとするけどまず喉が痛くて声が出にくい。(呼吸器思いっきり気管に入れられるからね)視野もブレブレ状態。しかし文句だけはでるもんで、「胸が痛いし喉も痛い」と不特定のその辺の人に言ってみる。すると看護婦さんがとんできて点滴に痛み止めを入れてくれる。5秒くらいで気管あたりの胸の痛みは和らぐ。そこでその看護婦さんに「今感じてる痛みを1から10の度で表すとどのくらい痛い?」と聞かれて自分ではかなり痛いけど10とか言うたらすごい重度に聞こえるなーとラリッてる最中にも一応理屈で「6」と答える。すると彼女はもっと痛み止めか鎮静剤を点滴に打ち込む。

次に覚えてるのは隣にクリスが座っていた。後になって聞いたんやけど、手術回復後の見舞は2時間に5分間だけやそうです。かなり意識が戻ってきた時にとなりの人がすんごい変な事をわめいていたから、看護婦さんに「私も手術から戻ってきた時変な事いうてた?」と聞いたら麻酔で意味不明な発言をするのは日常茶飯事やそうで、でも患者さんの秘密は絶対にばれないから大丈夫よとにっこりとウインクされた。私もなんかへんてこりんな事をいうたんちゃうかと心配になる。クリス曰く私は「Finding Nimoの『Dude』を連発する亀になった気分や」といいながら実際にDuuuuuudeを連発して一人で笑っていたそうです。かなり不気味かも。

痛み止め(今度は起きていたのでコップの水で飲む薬)を飲んだら副作用で口がからからに渇いてお水を沢山もらう。点滴とあわせてトイレに行きたくなる。かなり意識がはっきりしているからとトイレまで看護婦さんの付き添いと共に連れて行ってもらう。(ドアの外で待っててくれるの)

午後1時半くらいにもう大丈夫かなーという事で点滴をはずしてもらって、退院するために着替える、が、シャツを着ようと手を上げたところで気絶しそうになる。看護婦さんがまたとんできて血圧を測ると平均よりかなり低い。もとから血圧低いからこういう感覚慣れてるんやけど、と言うても聞いてくれない。そのまままた30分ほどベッドに座る。2時に車椅子を持ってきてくれる。退院しますと署名して、車椅子に乗ってロビーまで連れて行ってもらう。クリスがタクシーを拾う間もずっと看護婦さんがついている。タクシーがきたらドアまで連れて行ってもらう。素晴らしいサービスだ。

次の朝私に電話があるから何かと思ったら回復室の看護婦さん。私が大丈夫か心配で様子を見ようと電話してくれたとの事。1週間後にゴレンスティーン先生に会ってPost-opの検査をしたら終わり。

この手術は神経を切った瞬間に手の平の汗が止まるのでinstant gratification(瞬間大満足というところか?)とはこの事。目が覚めたら手術が成功だったのかが分かる。(この手術の成功率は99.5%と非常に高い。だから安心して私も手術する決意をしたんやけど。)

保険無しやと大体1万5千ドル程かかるそうです。保険でカバーされるので自費負担はだいたい1500ドル程やそうです。ラッキー。

最後にColumbia Presbyterian病院の人は皆さん本当に親切で優しくてビックリ。お医者さん達、看護婦・看護士を全員合わせると多分15人程にお世話になったと思う。郊外で貧血で倒れて救急車でERに運ばれた以外は病院には縁が無い人間なのでどんなサービスが良いとされてるか判断する基準もないねんけど。病院・入院ベテランのクリスに言わせるとColumbia Presbyterianのスタッフは一流やそうです。
     
 
 
 
最後にこのページをいじったのは2005年 2月09日。
 

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