歯が生え出すのがめちゃめちゃ早かった私は15歳までに全部の親知らずが生えてしまった。そんな事もあって虫歯が多くて奥の歯は殆ど銀歯になってしまっていた。口を開けるのも嫌になるほどの数の金属のクラウンを最近思い切ってセラミック製のものにかえることにした。そこで今回はアメリカでの歯科治療+審美歯科の話をしたいと思う。
アメリカの歯科技術
アメリカに来てから今までに3つの歯医者にかかって毎度経験した事は日本の歯科技術は優れているんだろうかと思わされる事。上記でも言っているように、銀歯だらけの私の口の中をみて歯科助士の人たちが「わぁ、すご〜い。これ(治療)どこでしてもらったん?NYU?他の大学病院?」と必ず聞いてくる。私の銀歯が全て日本で作ってもらったInlay(個人個人の歯型に合わせて特別注文して作られたかぶせ物)だと答えると納得してもらえて「すごいねぇ奇麗!」と歯医者さん達を呼んできて歯科院中の人が見物にきます。大阪に住んでいた時に通っていた歯科医の方は三重県からの患者さんが通っていたほど腕の良い先生だったんですけど、それにしても私の口をオフィス全員の人に見られた日には「これくらいも出来ひんって事?」と心細くなりました。(実際に何故そんな事がおこるかというと、わざわざラボに送って特別にInlayを注文するならアメリカでは大抵歯の色の物を作るからであって、アメリカの技術が劣っているからではありません。)
アメリカの保険制度
一番最初の歯科には根管の治療(root canal:歯の神経自体が悪くなっているので、神経を取り除く治療。これを行うと歯は実質的には「死んだ歯」となる)をする為に当時持っていた保険会社Prudentialを扱っているダウンタウンの大きな歯科医に行った。まずアメリカの保険はHMO(Health
Maintenance Organization。歯科の場合はDMO)といって保険会社が提携を結んでいる医者・歯科で治療を無料または小額のCo-paymentを払って受けれるものと、Point-of-Serviceと言って好きな医者・歯医者に行ける代わりにどの治療も(ただの風邪であろうがガンの治療であろうが)20%(プランにより比率はまちまち)自費持ちなどというプランにわかれる。よくアメリカの保険に詳しくない人が勘違いした情報を流しているのをインターネット上でみるが、救急病院での治療(特別な新技術が必要などといったまれなケースを除いて)はどんな保険も受け取ってもらえます。歯科の場合たいていのプランは患者が「健康上必要な手術・治療」(親知らずをぬく、root
canal、虫歯の治療、検査、レントゲン等)を受ける場合はほとんど無料というルールを設けている。私のroot canalも歯科検診、レントゲン、治療、クリーニングの全てが無料でした。旦那がこの歯科で歯茎の中で横に倒れて生えてしまった親知らずを取り出す手術を受けましたが、70ドルでした。ちなみに保険なしでのNYCでの治療代の目安はroot
canalや親知らずの抜歯で1000ドル前後、旦那のように歯茎をメスで切って曲がった親知らずを取り出す手術はそれ以上かかるそうです。
審美歯科治療:セラミック・クラウン
会社がかわると大抵保険会社もかわるので医者や歯医者を選び直す必要のある場合もあります。私の場合は最初の歯科医は大きすぎて個人個人への対応が悪かったため気に入らなかったのでちょうど良かったんですけど。2度目の歯科医へは審美歯科治療(Cosmetic
Dentistry)を受ける為に行きました。ミッドタウンの家族3世代で開いている歯科医だったんですが、もう今まで通った歯医者(日本もアメリカも含めて)で一番最低で大失敗しました。特に審美歯科治療の場合は保険会社が出してくれる額は年間に1000ドル程で、1000ドルではセラミック(英語ではセラミックにも種類があるのでPorcelainと言いますが)クラウン1つ分の値段にもならないので殆ど全てを自費で払う覚悟で良い歯医者さんを探して下さい。ちなみに治療費なんですが、私はクラウンを4つ作ってもらいましたが保険会社から1500ドルが出たので3000ドルちょっとですみました。
審美歯科治療:ブリーチング
クラウンの治療中にもちろん歯の色のかぶせ物なので自分の歯の色をチャートと見比べてクラウンをオーダーします。私の歯の色は一番白いA1という事でオーダーしたクラウンは全部A1なのですが、上記の前歯のroot
canalの治療をしてから3年経過したのでその前歯の茎部分が黒ずんでいるのが他の歯が白いのでめちゃめちゃ目立つんですね。で、もちろん先生に「これってroot
canalの治療したでしょう?」と言われてそうだと答えると、恐ろしい(?)事実を教えてもらいました。
root canalとは言いかえてみると歯の死でもあるので、神経をぬいたあとの穴から歯の中へ血が浸透します。その歯の中に閉じこもってしまった血が時間がたつと共にどんどん黒くなっていくので前歯のroot
canalは目立つんだそうです。そこでその歯を中側からブリーチする事に決めました。死んでしまった歯なので痛みは感じないので麻酔なしで歯の後ろ側から穴を開けます。その穴からブリーチを注射で入れて紫外線をあてて染み込ませます。統計によると75%の患者さんはこの治療で歯が元のように白くなってクラウンやキャップを作らなくてもよいそうです。2週間ブリーチを自宅で毎日付け直して治療が完了です。私はついでに他の歯もブリーチする事にしたのでトレイ(柔らかいプラスチックでできた自分の歯形)を作ってもらいました。ブリーチをそのトレイの中に入れて毎日2時間歯につけます。自宅でのプロセスもつらいんですが、オフィスでしてもらうプロセスは歯医者の嫌いな人にはかなり辛いかも知れません。(私は小さい頃から歯医者には通い続けていて慣れていて全然平気なんですが。)
まず紫外線をあててブリーチの効果を高めるので歯茎にあたらないように歯茎全体を薬品で覆います。(これが口をず〜っと開けるのができない人には辛い)ブリーチをつけた後はヴァキューム(Suction)を使えないので口の中に嫌というほどコットンを入れられます。ブリーチを浸透させている間(約40分)は身動きせずにじっと唾液(Saliva)をコントロールします。かなりの人がつばが耐えられなくて指を口につっこんで指先を真っ白にしてしまったりするそうですのでご注意!その40分程の間に歯科助士の人が紫外線(歯科医ではたいていlightと呼ばれている)を当てているので少々の痛みが出る可能性もあります。結果は個人差がありすぎて一概には「何シェード歯が白くなる」とは言えないそうです。(タバコを吸う人、コーヒーをよく飲む人の歯は白くなりにくい)治療費はroot
canalの歯にドリルで穴をあけてする方が300ドル、歯全体を外側からブリーチするのが300ドルでした。(クラウンをいっぱい作ったので私にはブリーチを100ドル値引きしてくれました。)
アメリカでの「歯」への意識
ブリーチは歯医者になれている私でもちょっと嫌になる程辛いプロセスなのであまりお薦めしませんが、銀歯が気になる方には是非是非セラミックのクラウンをお薦めします。金属ではないので口の中で異様な感触が全く無いのと見た目が普通の歯っていうのはやっぱり嬉しいです。日本と違ってNYCでは水道水の中にフッ素イオン(Fluoride)が入っているので日本のように虫歯がある人はNYCで生まれ育った人の中にはなかなかいません。お友達のニューヨーカーには虫歯が全くない人が沢山います。アメリカで白い健康な歯というのは欠かせないので矯正なんかも日本に比べると頻繁に行われています。(矯正歯科は審美と違って保険会社の支払いの割りが高い事もありますが)近い将来に私も矯正を始めるつもりです。
このページは1999年に書いたものです。 |