苦悩の日々

そんなこんなで、家族の反対もけっこうあったが、身ひとつダンボールひとつで我が家に輿入れしてきたハナであった。ああでも、ついつい浮かれていろいろグッズも買っちゃったけど。
例のペットショップKのこまったちゃん的ポイントは、買った後の指導にもある。「1ケ月はダンボールに入れていてください」と言われるのである。まあ、そんなことは聞いちゃあいないので、いいサイズのダンボールをもらってありがとうという感じで帰ってきた。いまもそのダンボールはハナのトイレ用新聞紙入れになっている。あそこのダンボールの質だけは保証できる。頑丈にできてます。
ちなみに、ハナの名前の由来は帰り道にあった「花の湯」というスーパー銭湯にちなんだもの。購入から命名まで約3分。

さて、とりあえず、ハナは小さなケージで寝泊まりすることとなった。まだ予防接種前なので、散歩にもいけないし、ヒマをみつけては家の中で遊ばせたりしていた。ああ、ひさびさの犬ライフ満喫。しかもパピー。幸せな日々、と思いきや、ものの1週間もしないうちに問題は露呈し、その後大問題へと発展した。ASAYANならこれをネタで2週はひっぱれるかも。前兆はヒモなどでひっぱりっこしている時などにあったのだが、ハナはこういう遊びに異常に燃えるのだ。生まれつきとても従順だった前の犬とどうもわけが違う。とにかくハナは「勝ち」に執念を燃やす。意地の張り具合が尋常でない。前の犬とそっくりの顔をしているからといって、性格も同じというわけではなかったのだ。考えてみればアタリ前といえば当たり前のことなのだけど。

後で分かったのだけど、ハナは支配的性格の犬だった。で、ハナの我が家の王者獲得ロードが華々しくスタートしたのだった。まずは、あちこち噛みまくり。ものはもちろん、人間の手を特に。これは子犬にはよくあることだろうけど、とにかくしつこい。怒ろうが無視しようが、根性で噛んでくる。まさに噛みまくり人生。気がつけば、こちらの服の袖がビリビリ。気にくわないと、唸ってくる。

はっきり言って面食らった。こちらも犬に関してはシロートじゃないんだけど、前の犬があまりに従順な性格だったのと、犬育て時代からブランクがある。私やダンナなんかはもともと犬が平気だからまだいいのだが、父母は恐いらしく、そういう態度をハナはすばやく見抜いたようで、父母に集中噛み攻撃をしかけるようになった。甘噛みするほどヤワじゃないので、いちいち思いっきり噛んでくる。さすがに私もこれじゃあいかんと思い、いろんな犬しつけ本を読み始めた。いまじゃ、けっこう犬しつけに一言ある人間になったが、当時は何も知らなかったので、けっこう参考になった。現在の大方の犬しつけのベースにあるのは、動物の基本行動学だから、人間界にも当てはまるようなあと思うことがいっぱいあって、これ自体は自分にとってもすごく勉強になった。今は逆にそんなきっかけを作ってくれたハナに感謝してるくらいだ。が、当時は、ほんとに泣きそうになりながら読んだ。だって、考えてもみてよ、自分が思いっきり愛情を注ごうとしてるのに、それに対する答えが執拗な攻撃だなんて悲しすぎる。

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