君はアネダの弟子なのか?

  ある誇大妄想狂の悲劇

 30過ぎてトホホ,となる人というのは,いつまでも現実が見えない人であろう。現実を計算してウソをついていたが,そのうち,どれがウソで,どれが本当かわからなくなってしまう人もいる。
 サッチーの経歴詐称疑惑で思い出す人として,私はこの人をあげたい。


 この人は,楽器の演奏家だそうだ。それも,日本の第一人者の隠し子(孫)だ,というふれこみで登場した。ただし,それはウソだとばれて詫び状を書いたらしい。本人曰く,「酒の上での軽口がこんな大げさなことになって・・・」だと。


それで楽器がうまいかといえば,お話にならない。その辺の学生の方が指が動く。「指が動くだけじゃいけない,それだけじゃ音楽じゃない」とはごもっともであるが,動かせない人がいっても説得力がない。


 その経歴ときたら,ほんと,華麗なるものだ。なにしろ,イタリアに少年時代に渡り,そうそうたる名演奏家たちに師事している(ことになっている)。


 ただし,これらの人が東洋人の弟子を持ったことはないそうだ。あと,留学していたはずのサンタチェチェーリア音楽院には,彼の卒業したという専攻科は存在しないそうだ。おそらく,早稲田大学と早稲田学院,一橋大学と一橋学院,東京大学と東京大学進学ゼミの関係のような学校かもしれない。
 この人のすごいところは,金を払わないこと。これもサッチーと重なってくるけど。何しろ,あの手この手で楽器代を払わない。


 この人も,ついにやっていけなくなり,お里に帰っていったそうである。 1