昔“NHK少年ドラマシリーズ”という少年少女向けのドラマシリーズがありました。午後6時から始まり、一本30分程度、だいたい2週間ぐらいでひとつの物語が終わっていたと思います。私は昔の子供でしたからその時間帯にはだいたい家におり、他に見るものもなかったので自然とその番組を見ていたような気がします。ほとんどの話は忘れてしまいましたが、この番組だけはものすごく印象的で、今でも是非もう一度見てみたいという思いがあります。しかし聞くところによると、このドラマはもう永久に誰も見ることができなくなってしまっているとか。当時NHKで使っていたビデオテープは非常に高価なもので、テープを保存することはできず、すべて上書きながら使っていたのだそうです。残念ですがあの美しいアカペラの主題曲は永久に聞けません。今でも全部覚えていますが、本当にきれいな曲でした。
この写真にある、“時をかける少女”という映画ならご存知の方がいらっしゃるかと思います。“時をかける少女”というのは筒井康隆氏が書いたSFもので、今まで何度か映画化されています。これを一番最初に映像にしたのがNHKで、この少年ドラマシリーズだったのです。実は私はこの元祖“時をかける少女”、いえ、“タイム・トラベラー”を見たことがありません。それはご了承いただきたいのですが、その続編であるこの番組には特別の思いがあります。
[補足:この「少年ドラマシリーズ」に関しては今でも熱烈なファンがたくさんおり、WEBで署名運動や様々な捜索活動が行われた結果、筒井康隆原作のオリジナル「タイムトラベラー」の最終回だけ映像が残っていることがわかりました。NHKが修正を施して最近DVDになり、今では入手することも可能です。参考のために… こちらへどうぞ。]
内容:
高校生芳山和子は不思議な呼び声に誘われ四次元の世界に迷い込む。和子を呼んでいたのは27世紀の科学者の卵、ケン・ソゴル。彼はラベンダーの匂いのするタイムトラベルの薬を作りだした。その効力を実験していた科学者3人が、時空を旅しているうちに行方不明になったという。ケンは和子のタイムトラベルの能力を知っており、3人を探し出すため協力してくれと要請する。そして和子は時間の旅に出ることになる。過去・未来・時間の狭間。。。様々な時を旅して目にしたものは、時間のエネルギーに押しつぶされて死んでいった科学者。タイムトラベルのルールを破り、過去の人間として生きようとして強制送還された科学者。そして、時間の狭間に陥り、二度と同じ時間に戻ることができなくなったさまよえるインド人たち。。そうこうしているうちに、21世紀に構えていたタイムトラベル基地がその時間の人間達に攻撃される。タイムトラベラー達は戦争に巻き込まれるわけにはいかない。人を殺すことは、歴史を変えてしまうことになるから。遂には、もう一人の科学者を見つけることはできずに、捜索は一旦中止されることとなる。自宅に戻り、眠りから覚めた和子の記憶には、もうタイムトラベルも、ケン・ソゴルもなくなっていた。
何がおもしろかったのか・・・ 物語が現実味のある話だったのです。時間を旅するのも、その当時の1972,3年の頃からそんなに離れることもなく、10年前後を行ったりきたりしていたのです。誰かがどこかから呼んでいる。その呼び声に誘われてドアを開けると時間の狭間に入り込んでしまう。。(実はこの設定、後々まで私のトラウマとなっていました。ずっと後までドアを開けるのが恐かったんです。)時間の狭間に入り込むと、抜け出せなくなることがある。違う時間に入り込んでエネルギーをむやみに使うと、時間に押しつぶされてしまうかもしれない・・・ほら、なんかありそうなことでしょ。(そんなことないって?)そこにあったのは大袈裟なハリウッド式のSFものではなく、怪獣ものでもない。それは、現実味を帯びたSFだった。こういう話ってそれまで見たことがなかったから、だから、おもしろかった。文句無しに。ケン・ソゴルのお兄さんもかっこよかったし。
それではここで、そのケン・ソゴル役をやった木下清さんのことを書きましょう。いい写真がなかったので、よくお分かりにならないかもしれませんが。。
実は私、この人のことがとっても好きで、大ファンだったのです! 芳山和子役の島田淳子さんはすぐに決まったそうですが、この役はほんとにぎりぎりになるまで決まらず、リハーサルの一週間前になってようやく決まったそうです。この番組はまさにこの人のはまり役で、未来人の役にぴったりの風貌をしていました。でも残念ながらこの風貌は、未来人以外をやるには難しいかったようです。後に、私は一度だけ“太陽にほえろ”に出演しているのを見たことがあります。でもそれきりいつのまにかいなくなっていました。今頃どうしてるんだろう、このお兄さん? (あ、もうお兄さんて歳じゃないかな。)
島田淳子さんという人が主人公の芳山和子を演じていましたが、この人、その後も他のテレビドラマに出ていましたね。島田淳子ではなく“浅野真弓”という名前で。でも、どんな番組に出ていたのかはよく覚えていません。下のは、27世紀の未来人と一緒にいるところです。よく見えませんけど、かわいい感じの人でした。今では柳ジョージの奥さんだそうです。
出演者:
島田淳子、木下清 他
スタッフ:
脚本・石山透、 ディレクター・佐藤和哉 他
NHK全国ネットにて、昭和47年頃放送。
参考文献:「続・時をかける少女」石山透著・鶴書房
Updated on December 7th, 2001
home
contact me.